『学習ガイドライン』
6.目的・目標・計画(1)
「目的」
最終の6章では、
家庭学習を習慣にするために、
最も大切なことについてお話ししていきます。
「目的」とは何でしょうか?
大小様々な目的があるでしょうが、
あなたはどのように捉えていますか?
私は、「目的」の裏には「未来の欲求」があり、
またその裏には「未来の感情」があると考えます。
未来の感情→未来の欲求→目的
「感情」とは、
楽しい・嬉しい・悲しいといった言葉で表されます。
人は誰しも楽しいなどのプラスの感情を得ようとし、
逆に悲しいなどのマイナスの感情を遠ざけようとします。
このプラスの感情を得たいという「欲求」があるわけですね。
そして、この「欲求」を満たすために行動します。
この「感情」や「欲求」が、今のものであれば、
それは「目的」ではありません。
未来の欲求を満たして、
未来の感情を得るために行動することで、
「目的」となります。
これを勉強に当てはめてみると、
もし、楽しんでいるのなら問題はないですが、
勉強は一般的に、
辛い・面白くない・面倒くさいといった感情でしょうから、
当然、行動はしにくいものです。
一方、遊びなどの好きなものは、
プラスの感情です。
そうなると、遊ぶ方を選んでしまうのは無理もないですね。
子供は、目的ではなく、
つい、今の感情で行動してしまうものです。
しかし、
これを少しずつ未来にシフトしていけば、
行動が変わってきます。
先程の例でも、
もし、明日がテストという時なら、
遊びたいという今の欲求がありながらも、
良い点をとりたいという未来の欲求が
強くなっているはずです。
近い未来であれば、
「良い点をとったら嬉しい」という感情を想像しやすいために、
これが強くなるのです。
さらに、悪い点をとった場合の感情も想像できます。
得たいプラスの感情と
避けたいマイナスの感情ですね。
このようなことから、テスト前には、
ほとんどの子供が嫌々でも勉強するのです。
以上の例から分かるように、
感情を想像できるなら、行動に移せます。
テストのない普通の日に勉強するためには、
遠い未来の感情を想像できればいいことになります。
「今、これをすると、明日にはこんなプラスの感情が得られる」
「今日がんばったことは、一週間後にはこんな結果として表れる」
「ここでやったら、一年後にはこんな自分になれる」
このようなことを想像できるようになると、
目先の感情だけで行動することはなくなるでしょう。
目の前の小さな利益よりも、将来の大きな利益がはっきりすれば、
今の苦労は乗り越えることができるのです。
次は、
さらに行動に移しやすくするための「目標」設定についてです。
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