今回から、『学習ガイドライン』
の中身に入っていきます。
1.家庭学習の重要性(1)
「学習の段階」
これについては、
『学習における困難にどう打ち勝つか』
の中で取り上げましたが、
もう一度整理しておきます。
学習には、大きく分けて以下の2つの段階があり、
第一段階は、「学ぶ、知る」段階、
第二段階は、「習得する、身につける」段階
でしたね。
第一段階は、他人から与えてもらうこともできます。
学校の授業を聞いているだけでも、
なんとなく知ることはできますね。
この段階です。
しかし、知ることはできても、使えるかどうかは別ですね。
テストの答案に正解を書くためには、
使えるようになる必要があります。
第二段階は、学校の授業で知ったことを、
使えるようになるまで練習を繰り返すことです。
これは、誰も与えてはくれません。
つまり、自分がやるしかないということです。
そして、練習を繰り返すことが、使えるようになる絶対条件なのです。
自転車に乗ることを考えてみてください。
サドルに座り、ハンドルを握って、ペダルをこげば、
前に進むことを知っていても、
それだけでは乗ることはできません。
実際にやってみる。
何度も何度も練習することで、ようやく乗れるようになります。
学校の勉強も、この「知る」と「習得する」の2つの段階が必要です。
この意識があるかないかで、学習に対する姿勢に大差が出るのは、
言うまでもないですね。
そのため、私は、まずこのことについて子供に話をします。
他人から教えてもらうことで、テストの点数が上がるわけではないこと、
練習を繰り返すことで、できることが増え、テストの点数が上がること、
そして、学校でその時間を作るのは難しいため、家で行うこと、
を解ってもらいます。
当たり前のことのようでもありますが、
「教えてもらうことで解るようになる」
といった受動的な考えを持っている子供もいるのです。
そのような子供には、この意識改革が必要だと、私は考えます。
もちろん、優れた指導者から教えてもらうことで、
解るようになることはあるでしょう。
しかし、これが習慣となると、
新しいことを知る度に、教えてもらうことを期待するようになります。
その結果、自力では学習ができず、
常に教える人が必要だということになるかもしれません。
これが、望ましい結果でしょうか?
自らが考え、行動することで、欲しい結果を手に入れるという
主体的・能動的な姿勢を身につけるのに、
家庭学習は良い機会となります。
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